学習

「mol」は難しくない!

突然ですが、化学は得意ですか?

恐らく、苦手だと答えた多くの人にとって「mol」は訳の分からない存在だと思います。

今回はそんな「mol」について、私が高校時代に学んだことを基に解説してみたいと思います。

「ダース」と「mol」の考え方は似ている!?

「ダース」について

ダースの中身

訳の分からない「mol」はいったん置いといて、「ダース」の話をしましょう。

「ダース」って知ってますよね?

チョコレートじゃなくて単位のほうです(笑)

多くの方が小学生の頃に1度は聞いたことがあると思います。

鉛筆1ダースと言われたら、12本の鉛筆ということですよね。

つまり、「1 ダース = 12 個」というわけです。

「そんなの簡単じゃん、当たり前だよ」と思えたあなたは、molを理解するための第一ステップはクリアできています!

ダースはなぜ使われるのか

では、なぜダースという単位は存在するのでしょうか?

これは私の個人的な考えですか、あったほうが便利だからじゃないでしょうか?

きちんと調べれば史実に基づいた理由なんかがありそうですが、おおよそこんな感じかもしれません。

鉛筆1本ずつ売るのダルいから12本を1セットにして売っちゃおーっと。この1セットをダースという単位で数えよう!ダースって便利だなぁ~
(これは史実に基づく事実ではなく、単なる私の妄想です)

なんとなくそんな気がしてきませんか?(笑)

とにもかくにも、ダースという単位が私たちの生活で使われている以上、便利だと感じている人がいるということです。

「mol」について

molの中身

いきなりですが、結論から言っちゃいます。

「1 mol = 6.02×1023 個」です。

1 ダース = 12 個でしたよね?

それと一緒です。

1 mol = 6.02×1023です。

要は、molも中身を見ると、ただ単にものを数える単位ってことです。

  • 鉛筆12本1セット = 1ダース
  • 鉛筆6.02×1023 本1セット = 1 mol

とは言っても、鉛筆6.02×1023 本って全くピンとこないですよね…

それもそのはず、molは鉛筆を数える単位として全く便利ではありません。

molが数える対象としているものとはずばり、原子や分子などです!

molはなぜ使われるのか

原子を肉眼で見たことがある人はいませんよね。

しかし、この世のほぼ全ての物質が原子から構成されているのもかかわらず、私たちは様々なものを肉眼で見ることができます。

これは、原子がたくさん集まって目に見える形で存在しているということです。

この世の全ての物質が原子で構成されている以上、新しいものを生み出すためには原子を研究する必要があります。

だけど、

「目に見えないものを相手にして研究するなんて難しすぎるし、意味分からん!」

そこでmolの登場です。

実は炭素原子(元素記号:C)1個を目で見ることはできませんが、炭素原子を1 mol(= 6.02×1023 個)集めると人の目でも物質として簡単に見ることができます。

シャーペンの芯を重さ12 g分(太さや長さによって変わりますが、私調べによると大体500本くらい)集めると炭素原子を1 mol(= 6.02×1023 個)集めたことになります。

他の例を挙げると、コップに水を18 mL汲むと、コップの中には水分子(分子式:H2O)が大体1 mol(= 6.02×1023 個)入っていることになります。

炭素原子1個を見ること、さわることはできないけれど、シャーペンの芯500本は見えるし、さわれますよね。

つまり、原子はmol単位で扱ったほうが私たちにとって理解しやすいから使われているというわけです。

ここまでを理解できればひとまずOKです。

もう一度結論をいうと、「1 mol = 6.02×1023 個」です。

これだけは絶対に忘れないでください。

関連用語の解説

物質量

6.02×1023個を1セットとして考えた場合の、物質の量です。

単位は「mol」です。

シャーペンの芯、約500本に含まれる炭素原子の物質量は1 molです。

とりあえず、「炭素原子が1 molあります」と言われたら、「炭素原子が6.02×1023個あるってことね」と思えるようになっていれば大丈夫です。

ちなみに、ダースが

1 ダース = 12 個、2 ダース = 24 個、3 ダース = 36 個、…

となるように、物質量も

1 mol = 6.02×1023個、2 mol = 12.04×1023個、3 mol = 18.06×1023個、…

となります。

アボガドロ定数(記号:NA

アメデオ・アボガドロ

1 molあたりに含まれる原子や分子の数のことです。

1 molに含まれる個数、もう覚えましたよね?

つまり、NA = 6.02×1023 /mol」です。

ここで、「/mol」という新しい記号がでてきましたが、これはアボガドロ定数の単位です。

この単位は「1 mol当たり」ということを意味しています。

単位についてについてはまた別の機会にご紹介したいと思うので、今回はふ~んという程度に覚えておいてください。

重要なことは、「アボガドロ定数(NA) = 6.02×1023 /mol」です。これはしっかり覚えてください。

6.02×1023は半端な数字で気持ち悪い

さて、ここまででmolは原子や分子の個数を表す単位だということを理解していただけたと思います。

この章は蛇足なので興味のない人はまとめへ進んで大丈夫です。

ここまで学んできて、「なんで6.02×1023 なんて半端な数字を使っているんだ!!」と思いませんでしたか?

「シャーペンの芯1本(炭素原子1.2×1021 個)でも目に見えるし、さわれるのに…」と思いませんでしたか?

私は、もっとキリの良い数字だったらもう少し簡単に覚えられるのになぁと何度も思っています。

とは言っても、こればっかりは昔の偉い人たちが決めているのだからしょうがないですね。

一応、6.02×1023という数字が決められた根拠はあります。

その根拠とは、「炭素12 g中に含まれる原子の数が6.02×1023個である」ということです。

解説の時にシャーペンの芯を例に出したのはこれが理由です。

炭素が基準に選ばれた理由としては、原子量に同位体の影響がほとんど出ないからということらしいです。

ただし、科学技術は今も発展を続けており、昔の常識が塗り替えられることも珍しくはありません。

基準の元素も昔は炭素ではなく酸素だったらしいです。

今後も変化していくのでしょうか?

変化するのだとしたら、どのように変化していくのでしょうね。

まとめ

「mol」は原子や分子を数えやすくするための単位

molと聞いて、拒絶反応を示す必要はありません。

所詮、数をまとめて数えることができる「ダース」と同じです。

  • 1 ダース = 12 個
  • 1 mol = 6.02×1023

この2つをまとめて覚えておきましょう。

今回は以上です。

それでは、ありがとうございました!

記事を読んでいただきありがとうございます(^^♪

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